フリーランスとして独立し、事業を始めるための資金準備として融資を検討している方も多いのではないでしょうか。
一般的に「独立する以上は、数年間は無収入でも問題がない資金が必要」と言われているものの、会社員で数百万円の資金を短期間で準備することはそう簡単ではありません。
そして、フリーランスとして活動する期間を加味すれば、融資をうまく活用するという方法が有効と言えるでしょう。
今回はフリーランスが融資を受ける前に知っておくべき情報として
- フリーランスが融資を受けにくい理由
- どうしても融資が必要なときに頼れる制度
- 融資は日本政策金融公庫がおすすめな理由
を解説していきます。
フリーランスとして事業を開始している方はもちろん、これから準備を始めようと考えている方も融資に関する情報を知っておくことをおすすめします。
目次
フリーランスは融資を受けにくい?その理由を徹底解説

フリーランスとして融資を受けることを検討している方は、「金融機関がどのようにフリーランスを見ているか」から確認していきましょう。
金融機関がチェックする情報から、フリーランスが融資を受けにくいと言われる理由を具体的に解説していきます。
過去の実績を審査条件に照らし合わせるため
金融機関は返済する能力の有無によって融資すべきかを判断します。
会社員であれば、勤め先の企業規模や給与やボーナスといった情報から返済する能力を判断しますが、独立したてのフリーランスには審査の基準となる情報が実績しかありません。
そして、過去の実績を証明する決算書の数字が低ければ審査を通過する可能性も低くなってしまうわけです。
自己資金が少ないため
金融機関は決算書の数字だけでなく、自己資金も審査対象としています。
仮に「しばらく事業が上向くことがなさそう」と判断されても、返済に問題がない自己資金があれば、融資を受けることができるのです。
融資を期待するフリーランスは自己資金も心もとないというケースがほとんです。
そのような理由から、「フリーランスは融資を受けにくい立場に立たされている」と言われているわけです。
どうしても融資が必要!そんなときに頼れる5つの制度
金融機関からの融資を受けにくい立場に立たされているフリーランスですが、どうしても融資が必要な場合もあります。
そして、そんなときにフリーランスが頼るべき制度について解説していきます。
それぞれの制度の特徴について
- 日本政策金融公庫が用意している融資制度
- 創業補助金
- 信用金庫・信用組合
- 中小企業支援制度
- クラウドファウンディング
の5つを取り上げます。
フリーランスの置かれている状況に合わせて、制度を選択しましょう。
日本政策金融公庫が用意している融資制度
経済の発展や生活安定などの目的のための組織が日本政策金融公庫です。
そして、この日本政策金融公庫には零細企業や個人事業主への融資制度があります。
一般の金融機関よりも高い可能性で融資を行ってくれる会社でもあります。
返済不要?創業補助金
フリーランス利用できる2つ目の融資制度が、創業補助金制度です。
創業補助金制度は認定を受けている市区町村または、市区町村から認定を受けている認定連携創業支援事業者の援助の一環として設けられています。
事業計画書を元にした審査を通過すれば、返済の必要がない融資制度になっています。
信用金庫・信用組合
どうしても融資が必要なフリーランスにとって、信用金庫や信用組合は頼りになる存在と言えます。
信用金庫と信用組合はいずれも非営利組織であり、地域で集めたお金を個人事業主に還元することで地域の活性化を促進することを目的としています。
そのため、フリーランスの申し込みに対して、利益を目的としている金融機関よりも融資をしてくれる可能性が高いと言えます。
地方自治体が行っている中小企業支援制度
信用金庫や信用組合とは別に、地方自治体が主体が用意している中小企業支援制度もフリーランスが頼れる融資先です。
すべての地方自治体が行っているわけではありませんが、自治体が信用保証組合と一部の金融機関と提携した融資制度を設けているケースも少なくありません。
近年主流になりつつあるクラウドファンディング
WEB上で実現したいことをアピールし、その理念に賛同する方々から資金を集めるクラウドファンディングも、フリーランスが融資を集めるための方法です。
協力してくれた方々へはサービスやお礼といった形で還元する仕組みとなっています。
どのくらいの賛同が得られるか不鮮明というデメリットがあるものの、資金準備と同時に事業のPRが行えるという点に注目が集まっているシステムです。
フリーランスは日本政策金融公庫から融資を受けよう!

どうしても資金が必要なフリーランスが頼るべき融資制度は前述の5つですが、その中でも日本政策金融公庫が取り扱っている融資への申込みは、必ず行うべきでしょう。
申込みをした結果、審査に通らないという可能性はありますが、他の融資制度よりも先に試す価値があります。
ここからは、日本政策金融公庫の情報として、
- 日本政策金融公庫の融資一覧
- 日本政策金融公庫の金利
- 日本政策金融公庫をおすすめする理由
の3つを解説していきます。
日本政策金融公庫の融資一覧
日本政策金融公庫には以下の4つの種類があります。
- 普通貸付
- 特別貸付
- マル経融資
- 生活衛生改善貸付
それぞれに融資を受ける対象が異なりますが、フリーランスとしての資金準備の場合には普通融資を活用するケースがほとんどです。
また、いずれの融資も上限金額が数千万円されていますが、フリーランスの場合、目安は200万円程度と考えておくと良いでしょう。
金利は高い?低い?
日本政策金融公庫が用意している融資は、全体的にに非常に低金利で活用することができます。
1%〜8%の金利設定をされることが多く、まだ実績がないというフリーランスでも、審査に通れば8%以下の融資を受けられます。
また、複数回の融資を検討している方にも、日本政策金融公庫の融資はおすすめです。
1度目に受けた融資をスムーズに返済した実績があれば、2度目の金利はさらに下がり、数ある金融制度の中でも、フリーランスに有利であると言うことができます。
手続きは面倒だが、フリーランスは日本政策金融公庫がおすすめ!
最後に、日本政策金融公庫の融資を利用する際の手続きを解説します。
一般的な金融機関と比較すると手続きが面倒というデメリットがあるとされていますが、
- 連帯保証人は2人
- 審査のための提出書類が多い
- 2週間ほどの審査時間がかかる
という点に特徴があります。
連帯保証人を2人準備するハードルはかなり高いものですが、金利の安さを加味すれば、審査を受けてみる価値はあるでしょう。
フリーランスが融資を受ける時に必要になるもの
最後に、フリーランスが融資を受ける時に必要になるものを紹介していきます。
提出書類は非常に多く、
- 決済書
- 試算表
- 資金繰り表
- 事業計画書
の4つを準備しなければなりません。
以下ではこれら4つについて1つずつ説明していきます。
決算書
フリーランスが融資を受ける際に必要になる1つ目の書類が、決算書です。
フリーランスの場合、決算書は個人の経営状態を表す書類と考えられ、損益計算書と貸借対照表から成り立っています。
決算書は確定申告にも使用されますが、融資を受ける際には融資を受けるための決算書を作成する必要があります。
試算表
フリーランスが融資を受ける際に必要となる2つ目の書類が、試算表です。
試算表は貸借対照表と損益計算書が折り重なったような書類であり、総勘定元帳を集計した一覧表を指します。
決算書で貸借対照表と損益計算書は確認されていますが、試算表の提出も必要と認識しておきましょう。
資金繰り表
フリーランスの一定期間の収入や支出を表したものが資金繰り表であり、金融機関に安全な経営を行っていることを証明する書類となります。
一般的胃に過去のお金の流れを表す貸借対照表や損益計算書と、将来のお金の流れを表す資金繰り表に分けられます。
事業計画書
フリーランスが融資を受けるために、最も大切なのが事業計画書です。
「何のために融資をお願いするのか」ということを示す書類です。
事業計画書には創業の動機や経営者の略歴、取扱商品やサービスなどを記載する欄が設けられており、どのようにして事業を展開していくかを伝える書類と言えます。
また、継続的な経営を行えることはもちろん、情熱や意義といった事業者が備えておくべきヒューマンスキルも問われます。
まとめ:フリーランスの融資は日本政策金融公庫がおすすめ

ここまでの内容をまとめます。
フリーランスが融資を受けにくいということには2つの理由がありました。
- 過去の実績が重視されるため
- 自己資金を評価されるため
そうは言ってもどうしても融資が必要という時には以下の5つの融資制度を検討してみてください。
- 日本政策金融公庫が用意している融資制度
- 創業補助金
- 信用金庫・信用組合
- 中小企業支援制度
- クラウドファウンディング
それぞれに強みがありますが、フリーランスに特におすすめしたいのは日本政策金融公庫が用意している融資制度です。
理由は金利が他の融資制度に比べても低いためです。手続きの面倒さなどのデメリットはありますが、フリーランスにとっては非常に助かる融資制度でしょう。
他の制度とも組み合わせて利用していきましょう。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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