「フリーランスにも配偶者控除はあるの?」
フリーランスで働く人なら、このような疑問を持つのではないでしょうか。
また、
- そもそもフリーランスに配偶者控除は適用されるの?
- 配偶者控除を受けられる条件って?
- 配偶者控除と配偶者特別控除って何が違うの?
ということが気になっている方も多いと思います。
そこで今回の記事では、配偶者控除の基礎的な部分について徹底解説します。
全体の流れとしては、以下のような順で疑問に答えていきます。
- フリーランスに配偶者控除は適用されるのか?
- 配偶者控除と配偶者特別控除の違いは何か?
- フリーランスが配偶者控除を受けられるような働き方って?
フリーランスの方なら知らないと損!な内容ですので、ぜひ一度目を通してみて下さい。
目次
フリーランスにも適用される!配偶者控除を基礎から解説!
配偶者控除はフリーランスの方にも適用される控除の一つです。以下ではその内容を基礎から解説します。
フリーランスも受けられる!配偶者控除とは
配偶者を持つ納税者の負担を減らすための制度が、配偶者控除です。
この制度では配偶者を扶養に入れることで、収入から一定の額を控除することができます。
実際の控除額は、納税者本人の所得金額によって変わりますが、所得金額が900万円以下なら38万円の控除を受けることができます。それ以降は本人の所得が多いほど、控除の額は減り、1000万円を超えると控除を受けられなくなります。
配偶者がいて、これから述べる条件を満たすことが、この制度を利用するための条件です。
配偶者控除を受けるための条件
それでは、配偶者控除を受けるための条件とはどのようなものでしょうか?
民法上の配偶者であること
まず、配偶者との婚姻関係が民放で保証されているものである必要があります。
事実婚などの内縁関係で、配偶者との間で籍を入れていない場合は配偶者控除を受けることができません。
同一生計の家族であること
すなわち、配偶者と同じ財布で生活していることが必要です。必ずしも同居している必要はありませんが、生活費などの送金が行われている必要があります。
その配偶者の年間の合計所得が38万円以下であること
多くの方にとって、この条件がキーポイントとなるでしょう。
配偶者控除を受けるためには、その配偶者の年間の合計所得が85万円以下であること(給与収入の場合は150万円以下)が必要になります。合計所得が85万円を超える場合は、配偶者特別控除を検討してみましょう。
白色申告者の事業専従者でないこと、または青色申告者の事業専従者である場合はその年に給与の支払いを受けていないこと
夫婦で事業を営む場合に要注意なのがこの条件です。
あなたが白色申告をしている場合は配偶者がその事業に従事していないこと、または青色申告者の場合は配偶者が給与の支払いを受けていないことが条件となります。
ボーダー103万円は嘘!妻がフリーランスの場合
年間の所得が103万円(基礎控除と給与所得控除を合わせた額)を超えると、所得税を払わなければなりません。
そこで、年間の合計所得がこの103万円というボーダーを超えないように気をつけている方が多いのではないでしょうか。
実は配偶者がフリーランスの場合は、このボーダーは当てはまらないのです。
というのも、フリーランスの収入は給与所得ではないため、給与所得控除はないからです。
それに代わる存在として、青色申告の場合は65万円の特別控除が認められています。
また、事業主であるフリーランスには経費の控除も認められています。結局、実際の控除額は「38万円+65万円+経費」となり、103万円とは限らないことに注意が必要です。
フリーランスの配偶者控除と配偶者特別控除の違いを徹底解説!
配偶者特別控除は配偶者控除とよく似た名前の制度ですが、両者の違いは何でしょうか?
配偶者控除の場合は、配偶者の所得にボーダーが設定されていました。
では配偶者の所得がその金額を超える場合は、控除は全く受けられないのでしょうか?
実は、そんな場合のために用意されているのが配偶者特別控除です。以下では、その違いについて解説します。
配偶者特別控除とは?
配偶者特別控除とは、配偶者の給与所得がボーダーの金額である150万円を超えてしまう場合でも控除を受けるための制度です。
配偶者の所得が大きい方にはありがたい制度と言えるでしょう。
配偶者控除と特別控除の違い
配偶者控除は、配偶者の年間の合計所得が85万円以下の場合にのみ、38万円の控除を受けることができるという制度でした。
ですが、配偶者の所得が85万円を超えたら1円も控除されなくなってしまうのでは理不尽です。そこで、配偶者の所得がボーダーを上回る場合でも、その金額に応じた控除が設定されています。
配偶者特別控除を受けるためには、配偶者控除の条件に加えて以下の要件を満たす必要があります。
配偶者が他の人の扶養親族になっていないこと
配偶者の合計所得金額が123万円以下であること
また、配偶者控除の場合と同様に、納税者本人の所得の金額に応じて控除の額は細かく変わってきます。
フリーランスが配偶者控除を受けるための働き方とは?
それでは、配偶者の方がフリーランスとして働いている場合でも、配偶者控除を受けるためにはどのような点に気をつければいいのでしょうか?
法改正によって1番得するのはフリーランス!
配偶者控除の法改正によって、扶養に入った状態でもフリーランスとして働くことを考えている配偶者の方が稼げる金額が増えました。
社会保険の扶養まで考えると、一般のお勤め人のように給与所得で計算される方が配偶者控除を用いる場合、ボーダーである103万円に引っかかってしまいます。
ですが、フリーランスの方なら経費も控除することが可能ですので、103万円を超えても経費の分は控除することができます。
また、所得金額が900万円以下のフリーランスの方なら、同じくフリーランスの配偶者の方がより多く稼いでも、150万円以下の収入であれば38万円の控除を受けられるため、得だと言えるでしょう。
青色申告で65万円控除を確保する
上でも述べた通り、フリーランスには給与所得控除がないため、社会保険まで含めて考えれば青色申告の65万円の控除を利用することが不可欠です。
青色申告は特別な要件を満たした帳簿を作成する必要があり、毎年2、3月の確定申告の時期に申請する必要があります。
このようにややハードルの高い制度ですが、白色申告の場合は控除が設定されていないため、扶養に入ったままフリーランスで働くことを考えるなら青色申告は不可欠と言えるでしょう。
自分で仕事を調整する
また、社会保険の扶養は年間の所得の総額で判定されるわけではないという点にも注意が必要です。
年間の見込みの収入額が社会保険の扶養の基準となる金額を超えそうになった場合は、扶養から外れてしまうのです。
フリーランスの特性上、一般的な働き手よりも仕事の調整が自由にできます。青色申告の申告が承認されたかどうかにもよりますが、ボーダーの金額を超えそうになったときは受注する仕事量を減らすなど、ひと月あたりの仕事量を調整しましょう。
まとめ:フリーランスは配偶者控除を上手に使おう
ここまでの内容をまとめます。
配偶者控除とは配偶者を扶養に入れることで納税額を少なくすることができる制度です。
その条件は
- 民法上の配偶者であること
- 同一生計の家族であること
- その配偶者の年間の合計所得が38万円以下であること
の3つです。
一般的に「扶養は103万円」というのが浸透しているようですが、フリーランスには当てはまりません。
フリーランスは経費を控除に入れることができるからです。
また、配偶者特別控除という制度もあります。
これは配偶者控除の対象にならない人のための制度です。
全く控除されないことを防ぐために一定以上の収入がある場合でも税金の控除をしてくれます。
このように節税する上ではフリーランスも配偶者控除を活用することが不可欠です。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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