「フリーランスはトラブルに巻き込まれやすい」
このようなイメージを持ってはいませんか?
http://twitter.com/maronn_koubou11/status/1033230856112893952?s=20
こう考えている人も多いかもしれません。
この記事ではフリーランスが巻き込まれやすいトラブルやその予防策を解説していきます。
具体的には
- フリーランスが巻き込まれやすいトラブル事例3選
- トラブルに巻き込まれないようにするには?
- トラブルに巻き込まれてしまった時の対処法
を紹介します。
この記事が参考になれば幸いです。
目次
フリーランスはトラブルに巻き込まれやすい!
フリーランスは会社員に比べ、多くの点で守られていないのが現実です。
近年はそれを改善しようとする動きもありますが、現段階ではフリーランスの状況は変わっていません。
営業・契約・制作を全て自分で行う
「会社の束縛なしに、全て自分の思い通りに進めることができる」
これは、フリーランスの魅力の1つでもあります。
しかし、全ての業務を自分1人で行うということは業務上の全ての責任を負うことになります。
どの段階でもトラブルが発生する危険性があります。
フリーランスは労働法で保護されない
フリーランスには企業と雇用契約を結んでいないため、労働法などが適用されません。
労働法では1日8時間の労働時間や、残業代など手当の面が保障されています。
フリーランスにはこれらの労働に関する法律は当てはまりません。
同様に、最低賃金もありません。
自分とクライアントの間で合意さえすれば、いくらでも低い報酬で働くことが可能になってしまうのです。
また、自ら加入しなければ、労働者の権利を守る組合もありません。組合は労働者の権利を守るためにあります。
社会保険から国民健康に切り替える必要がある
会社員の方は現在、社会保険に加入しているはずです。
フリーランスになると最長で2年まで社会保険を延長できますが、その後は国民健康保険に切り替えなければいけません。
社会保険と国民健康保険には様々な違いがあります。
まず、会社員時代は会社が社会保険料を半額負担してくれていましたが、国民健康保険になると自分で全額負担することになります。
社会保険には病気などで働けない時に最大で給料の2/3が支給されますが、国民健康保険にはその仕組はありません。
他にも多くの違いがありますが、社会保険の加入者は手厚く保護されています。
フリーランスにありがちなトラブル3選
フリーランスは、会社員時代には巻き込まれないようなトラブルに巻き込まれることがあります。
ここではその具体的な事例について説明しています。
納期の遅れ
フリーランスは自分の裁量で仕事ができることが大きなメリットです。
持っているスキルが高ければ高いほど、受注案件数は多くなります。
同時並行で複数のプロジェクトを進めることもあるはずです。
その場合、1つの案件で大きな修正を求められたり、何らかのトラブルがあると他の案件の納期に遅れてしまうことがあります。
特にフリーランスになりたてのエンジニアは「1人で仕事を回している」という意識を強く持つことが大切です。
クライアントからの報酬未払い
フリーランスで最も多いトラブルが報酬の未払いです。
久しぶりに未払いくらったなー。
納品したらバックレやがった。住所も法人名も把握してるけど簡易裁判起こしても間違いなく赤字…利益をとるか、制裁を取るか。
迷ってる。フリーランスのつらいとこ。
ああー…へこむ。記事は使われる前に自分のブログに載せてやったぜ!(ささやかな嫌がらせ)
— HIRO【雑記ライター屋さん】 (@wsswriting) August 21, 2018
フリーランスやっていると、”お金を貰えない恐怖”が常に付きまとう。
基本的には良質なクライアントが多いけど、過去に何度か未払いを経験しており、、、その時のトラウマが大きい。感情的な理由で支払い拒否する人もいるので、わりと世の中はメンドイですね。 #Web系フリーランスあるある— マナブ@バンコク (@manabubannai) February 22, 2018
フリーランスの報酬未払いについては別の記事で詳しく解説しています。
著作権侵害
インターネットの普及により、誰でも簡単にネット上の素材を使用することができるようになったこともトラブルの増加につながっています。
フリーランスが意図せずに著作権を侵害してしまう可能性があるものをまとめました。
画像・イラスト
ネット上の画像にも著作権があり、無断で使用することは禁止されています。
ます。
著作権フリーをうたった画像サイトもありますが、サイトごとに規約が異なるので商用可能可どうかのチェックが必要です。
「クライアントに納品した商品が著作権を侵害している」ということは避けなければなりません。
ソースコード
ソースコードも著作物とみなされます。
フリーランスエンジニアの場合、契約する時に「著作権は発注企業に帰属する」という文言を設定することがほとんどです。
OSS(オープンソース)
OSSライセンスも条件に違反して使用すると著作権違反に該当します。
使用するOSSの条件はその都度確認するようにしましょう。
フリーランスがトラブルに巻き込まれないようにするいはどうしたら良いの?
先ほど紹介したようにフリーランスは会社員には無いようなトラブルに巻き込まれる場合があります。
では、トラブルを予防するためにはどうすればよいのでしょうか?
納期を守る
納期を守ることは社会人として最低限のマナーです。
どんな理由があっても納期に遅れることは信用を失うことになります。
クライアントが無理のあるスケジュールを提示してきても、
「それは無理です」とはっきり言う勇気も大切です。
他の案件との兼ね合いも考えた上で納期を設定しましょう。
報告・連絡・相談を徹底する
フリーランスはクライアントとの約束である納期を必ず守らなければなりません。
それでも、病気や事故が原因で納期が遅れてしまうこともありえます。
不測の事態を予測することは難しいですが、不測の事態に備えることは可能です。
事故や病気が発生してしまった段階で自分で勝手に判断せず、まずはクライアントへの報告、連絡、相談を心かげましょう。
特に、納期遅れはクライアントにも迷惑がかかるためできるだけ早く連絡をするべきです。
契約内容の確認
フリーランスにとって最も重要なことは契約書を確認することです。
特に自分がやらなければならない業務は明確にしておきましょう。
きちんと納品しても
「もっとここをこうしてほしい」
「指示したのと違う」
などと言われるケースがあります。
指示があったか、なかったかの議論にならないように契約書をよく確認しましょう。
証拠を残すという点からは
- なるべくメールやメッセージでやり取りする
- 電話も録音する
などの対策もあります。
前金をもらう
クラウドソーシングなどのサービスを経由していなければ、自分の成果物に対して報酬を支払ってくれるかどうかはクライアントの良心にかかっています。
新規のクライアントの場合は特に、前金を支払ってもらいましょう。
また、必ず前金をもらってから作業に入るようにしてください。
なんとなく「後でまとめて払うから」という言葉を信用してはいけません。
その作業をした分がタダ働きになってしまう可能性もあることを頭に入れておきましょう。
フリーランスがトラブルに巻き込まれてしまった時の対処法4選
ここではフリーランスがトラブルに巻き込まれてしまった時の対処法を対処しやすい順番にまとめました。
是非参考にしてみてください。
クライアントと自分の認識が異なる場合は内容証明を送る
内容証明とは郵便を出した内容や発送日、相手が受け取った日付などを郵便局が証明するサービスです。
フリーランスの内容証明を使う場合は以下の手続きを行います。
- 契約の解除を通知
- 未払い代金の催促
- 損害賠償請求
いずれの場合も目的は自分が行ったことの証明です。
内容証明は証明としては有効ですが、法的な拘束力は持っていません。
裁判所を通して支払い催促をする
先ほどの内容証明を使った支払い催促は法的拘束力は無いと言いました。
残念ながら裁判所を通してもそれは変わりません。
相手方に心理的圧迫を与えるという効果は望めるかもしれませんが、支払わなくても罰則はありません。
法テラスに相談する
「法テラス」という名前は聞いたことがあるかもしれません。
法テラスとは「日本司法支援センター」の事で、国の法律支援団体のことを指します。
提供しているサービスは大きく分けて2つです。
無料の情報提供
まずは電話でトラブルについて相談することができます。
法律扶助サービス
経済的に余裕がない人が利用できるサービスです。
3回までの無料法律相談や費用の立替などを行ってくれます。
ただしこれらのサービスには収入が一定以下であることが条件です。
単身者の場合は月収が18万2千円以下の場合、利用できます。
少額訴訟
報酬未払いについては最後の手段です。
裁判は莫大な時間とお金がかかるというイメージがあるかもしれません。
少額訴訟は申し立てから審理までに要する時間が数ヶ月で、審理も1回ならば非常にスピーディです。
60万円以下の被害であれば少額訴訟を起こすことができます。
費用も1万円~2万円と安価です。
まとめ:フリーランスは自分でトラブルから身を守ろう
今回の記事で重要なことをおさらいしましょう。
フリーランスは会社員に比べてもトラブルに巻き込まれやすいのが現実です。
クライアントに問題があることも多い一方、
- 全ての業務を自分で行う
- 労働法で保護されていない
など、自分ではどうすることもできない要因もあります。
トラブルで多いのは
- 納期の遅れ
- 報酬未払い
- 著作権侵害
です。
これらのトラブルを回避する上で、最も重要なのは「契約書を確認する」ことです。
口約束は絶対に信用してはいけません。
相手に面倒臭がられるくらいまで徹底して形に残しておきましょう。
トラブルが発生した場合、
- 内容証明
- 法テラスに相談
- 少額訴訟
などの手段があります。
訴訟というとハードルが高いように感じるかもしれません。
それでもトラブルがなかなか解決しない場合は1度試してみる価値はあるでしょう。
フリーランスは自分の身を自分で守る必要があります。
日頃から自分でトラブルを回避する行動を心がけましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。